行動経済学とは
- 藤原ゼミ
- 2021年2月25日
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従来の経済学(伝統的経済学)は、研究対象である人間がみなホモエコノミカスだという仮定のもとに成立していた。ホモエコノミカスとはすなわち、常に合理的な考えに基づいて経済行動をとる人のことであり、以下の5つの特徴を持っているとされる。
~ホモエコノミカスの特徴~
①完全合理性
最大限の合理性のことで、
(1)知的能力が非常に高く、どれほどの難題でも必ず正解を導ける
(2)決して行動が感情に左右されることがない
(3)計画したことを必ず実行するなど、完全な自己抑制を持つ
という3つの特徴で記述される。
②完全利己性
他者が喜ぶか、悲しむか、などに全く関心がなく、常に自分の利益だけを考える。
③物質的・金銭的利益の重視
精神的・心理的状態よりもお金や具体的なものに対する満足度で人間の幸福が決まると考える。
④満足最大化行動
限られた環境・資源のもとで満足を最大化するためにはどうすれば良いか考え、常に最適な行動をとる。
⑤対等な自由人
人々はみな平等であり、上下関係を利用して不当な扱いを受けたり、自分の意に反した結果を強制されたりすることはない。
しかし、実際に生産、消費、分配などの経済活動を行う人間はホモエコノミカスではない。この点について伝統的経済学では、
(1)非合理的な人は、投資に失敗して市場から退出する
(2)合理性からの乖離はランダムに起きるので、社会全体では相殺されて影響はない
などの理由で人間の非合理性は考慮しなくても良いとされてきた。
これに対して、行動経済学は人間の非合理性を認めたうえで、その非合理性はランダムではなく系統的なものであると仮定している。
このように、心理学的なアプローチを取り入れることでより実情に合った経済分析を試みようという学問が行動経済学である。
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