第1章 一般理論
- 藤原ゼミ
- 2019年3月12日
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この章で書かれていることは、簡潔にまとめると『一般理論』執筆にあたっての意思表
示である。特に「一般」という形容句に最も力点を置いている。それは、これまでの「古 典派経済学者」1の理論、正統派と称されてきた理論は、完全雇用のように極めて特殊で極 限的な場合しか扱っていないという厳しい批判に基づいている。それに対し、ケインズが この書においてこれから展開する理論は実際の経済状態のように「一般的な状況」を説明 するための分析用具であるということを強調している。いわば、ケインズは『一般理論』 を用いて「古典派経済学者」に対して挑戦状をあてたという表現が最も腑に落ちるように 思われる。
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